RSAライセンスコースでは、オーストラリアで過去に実際に起こった起訴事件を振り返り、これからの対処方法について学びます。
ここでは、実際にテキストで紹介される裁判例を紹介します。
■オーストラリア裁判例:ゴールドコーストで約1千万円の罰則
Aさんはオーストラリアゴールドコーストにあるホテルで、名の知られた大酒のみだった。
スタッフの何人かは閉店時間後、Aさんが往来の激しい道を横切り、バスに乗って家に帰ることを知っていた。1990年4月24日、泥酔したAさんはホテルを去った後、車にひかれてしまった。 その際、頭部と右足に傷を追ってしまった
。
彼はクィーンズランドの裁判所に45%の責任は自分にあるが、30%はドライバー、25%はホテル側に責任があると訴えた。 判事は、泥酔したAさんになおも酒を提供しつづけ、責務を怠ったホテル側にも責任があるとした。
その上、Aさんの安全のためにタクシーを呼ぶなどをする事が適切であったと話した。さらに、泥酔した人にアルコールを提供する事は、単に不注意という事だけでなく、より危険を引き起こすという事を理解しておかなければならないと話した。
裁判所は、50000ドルを超えるAさんの損害の45%(277,560ドル)をAさん自信の過失とし、126,163ドル(約1千万円)をホテル側の過失とした。
※オーストラリアでは、パブ、のことをスラング(方言で)ホテルと呼びます。実際に宿泊施設を盛況してなくても、名前にホテルとつけることが多いです。上のホテルとは、飲み屋、パブと考えてください。
■オーストラリア裁判例:最高裁判所の判決
1984年3月16日、コンドボリンホテルでAは酔っ払いのBにビール瓶で殴られ、失明してしまった。
その後の調べにより、午後4時の時点でBが既に酔っ払っていたという証言が得られた。ホテルのスタッフはBが酔っ払っていて興奮状態にあることを知っていながらお酒を売っており、さらに閉店間近にボトルショップにいたライセンスを持っていたスタッフもBにビールを販売したという事実も発覚した。
最高裁判所の判決:ライセンス保持者は店の代表としてそこで予期できうる問題や障害などを防ぐ義務がある。他にも、お客様同士が迷惑をかけあわないよう注意を払わなくてはいけない。
この事件の場合、BがAと喧嘩を始めた10時15分よりも前の時点ですでに泥酔しているBを店から出すべきであった。
ホテルの経営陣はスタッフ達に「酔っ払っているお客様には帰ってもらうように」との支持を与えていたが実際にそれは守られていなかった。
裁判所は問題を起こし始めたBに出て行ってもらえなかったのはスタッフの怠慢であるとした。 公共のバーでは他人に迷惑をかけそうな酔っ払いが大勢いる。
そして、明らかに酔っ払っているお客様に注意を払い、接客し続ける店側には多大な問題がある。 店はAに対して怪我、無収入等の合計$105,526の損害賠償とその他の諸経費を支払う事になった。
■オーストラリア裁判例:女友達3人
ゴールドコーストに住む女友達3人が、あるクラブのシャンパン・ブレックファーストに参加した。
それは近くのラグビーチーム主催の会でアルコールが無料で提供されるというものであった。彼女たちは、無料提供が終了した後も、ボトル3本追加オーダーし、飲みつづけた。
そのうちの二人が帰った後もAさんと別の友達でのみ続けた。既に正午には泥酔状態だったと別の友達も語っている。
クラブのセキュリティーマネージャーも午後5時30分頃には、飲みすぎた彼女に対し、帰るように警告している。 その際、彼女のために「タクシーを呼びましょうか?」と提案したが、Aさんは断っている。
その後、直ぐに友人とクラブを後にしたが、交通事故を起こしてしまい、頭に重傷を負った。 その事故の結果、長期にわたり精神的、肉体的苦痛を味わった彼女はドライバー及び、クラブを訴えた。
最高裁の判決では、そのクラブにはアルコールを出すということに関して、責任があり、Aさんの今後にも責任があるとの見解を示した。2001年2月には損害額がAUD200,000以上に達し、Aさんの治療費用と経済的損失をクラブ側が払うものとし、クラブだけでなく、ドライバー、Aさんにも責任はあると話した。
■オーストラリア裁判例:急性アルコール中毒死
1997年10月に起きた、アルコール中毒患者が死亡した事件について、ホテル側は最小限の損害しか被っていないとの苦情を受け、警察は調査に乗り出した。
被害者は、Aホテルで競うように酒を飲みつづけていた。40人ほどが参加し、中には自分のカップまで用意しているものもいた。その際被害者は、34杯のビール、バーボン4本、テキーラショット17杯を飲んでいた。
検死の結果、急性アルコール中毒死するのに充分な毒性、BAC353値あった。 参加者は誰も気に止める者はなく、ホテルスタッフも泥酔の末、嘔吐する人や、立ち上がることが出来なくなった人がいても辞めるように指示しなかった。そこにいたスタッフ全員、RSAの資格をもっていた。
裁判所は、ホテル側がRSAを所持しているスタッフがいるにも関わらず、注意すらしなかったことに対して、厳重な注意をした。
■オーストラリア裁判例:21歳の誕生日パーティー
オーストラリアコランバ警察は、「客が負傷している」との通報を受け、午前1時30分頃、Aホテルへ向かった。
その事件は、21歳の誕生日パーティーの最中に起こった。 警官は、若者の首にビールビンの破片がつきささっているのを確認した。2グループの口論の末におきた事件だった。 警察がその現場についたときは既に、ビリヤード台の近くの床や、ホテル周辺のフェンスは血に染まり、砕けたビール瓶はそのままに散らばっていた。その事件は、ホテルが閉まってなければいけないはずの午前1時におきた。
ホテル責任者に事情を聞くと、「そこまで重大なことになるとは思わなかった。」セキュリティもいなかった」と話をした。結局2グループ共に起訴された。
■オーストラリア裁判例:クラブ内でケンカ
深夜12時頃、二人の警官が見回りをしていた際にセキュリティースタッフから、「クラブ内でケンカが始まった。」 との知らせがあった。
そのケンカには、30人ほどが関わっていた。止めに入った警官の一人が、彼らから暴行を受けた。 その元警察官は裁判中、その事件が "起こるべくして起こった" にも関わらず、クラブ内がどのような状況なのかを事前に話さなかったこと、そのようなケンカが店員の不注意で起きたことを上げた。
結局、元警察官は肉体的苦痛や将来においての精神的苦痛を考慮され、相応の被害額を受け取りました 。
■オーストラリア裁判例:未成年に販売<
2000年4月、オーストララリア シドニー郊外の町で警官が少年4人がマックズリカー(酒店)の外にいるのを見かけ、少年の後を追ってそのリカーショップ(酒屋)の中へ入った。
警官はリカーショップを後にした若者たちに近づき少年は「ウォッカを買ったが、自分は19歳で何の問題も無い」と話した。しかしその後16歳ということがわかり、しかも、リカーショップの店員は年齢確認をしなかった。
裁判の末、リカーショップは$3000の罰金と裁判費用を払う事になり、少年には$55の罰金。
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